2013年1月17日木曜日

ドライバーとのお付き合い

インドの駐在生活では、交通事情や運転マナーの悪いこと、人件費の安いことから、ドライバーを雇うのが一般的になっています。我が家もご多分に漏れず雇っているのですが、彼とのやりとりで、時々、しまった!と思うことがあります。

例えば、まもなく彼の誕生日と結婚記念日だという話を聞き、プレゼントの参考に「趣味は何?」と訊いてみると、「マダム、私の家は貧しくて、17歳の時に父がリストラに遭ってから、10人の家族を支えるために働いていて、そういう余裕はありません。」と真面目に答えられてしまったとき。

あら、質問のしかたが悪かったかしら、と思いました。
使う人と使われる側の距離感を保ちつつ、相手が金銭的格差を感じない話題を選びたいと思うのですが、そのバランスが難しい。ドライバーとの会話がお互い楽しくできるようになると、アメリカでスマートなチップの渡し方を習得するように一つ国際人としてのステージが上がるのではないかと思っています。昔は大変だったけど、今はそれより良くなっているよね。とさらりと返せれば良かった。

しまったと思いつつ、子供の話に切り替えた後、今回はプレゼントの好みを知りたかっただけなので、夫に内緒で何か欲しいものないの?なんてストレートに訊いちゃいました。性別も人種も違い趣味も良くわからないし、せっかく贈るのだから本当に欲しいものをあげたいと思ったのですが、「いきなり言われてもわかりません。」との返事。まぁ、運転中ですしね。ひとまず考えてもらうことにしました。

この反応で、彼が、エビで鯛を釣ろうとしたわけではないことがわかりました。というのも、今朝、自分の誕生日だからか、Cafe Coffee Day で購入したケーキを私と夫に持参してくれていたのです。ドライバーが主人にケーキのプレゼントとは!驚きました。上記の返答を聞くまでは、日本人女子がバレンタインデーでやるように、ケーキを差し入れて、もっと大きなものをGETしたいのかしら、と疑っていたのです。(ごめんなさい~)

実は、ドライバーと親しくし過ぎるのも考えもので、話が弾むようになると、お金を貸してほしいと言われると聞きます。私のドライバーはクリスチャンであるせいかとても礼儀正しく、一度も言われたことはありません。もしかしたら、車が交差点に止まったときにくる物乞いに一度もなびいたことが無いので、貸してと言われても貸さないタイプだと気づいているのかもしれません。

現在放映されている大河ドラマを見ていると「ならぬことはならぬ」という台詞がよく出てきます。これは会津藩の子供が藩士の子供として守るべきルールを定めた「什の掟」の最後の言葉で、ダメなことはダメ、という決めた内容を道徳として守ることを強いる言葉になっています。

自分の持っている良い・悪いの基準(道徳・倫理観)を相手に理解してもらい、その基準に合わせてもらうためには、使用人に対してその価値観をしっかり伝える必要があると感じます。

例えば、相手に時間を守ってほしければ、こちらも時間にきっちり行動する。一度決めた予定はむやみに変えない。(買い物に1時間かかると言った場合は1時間で終わらせる)お金を支払う場合はレシートを要求する。などなど、、、。我が家の「ならぬものはならぬ」をはっきりさせるのです。

うちの場合は、

  • 時間に遅れない
  • 言動に責任を持つ
  • 使途不明のお金は払わない

といったところでしょうか。また、行き先は事前に調べ、住所などをiPhoneに登録し、GPSで把握しています。ただ、Webサイトに掲載されている住所で検索しても Google Map できちんと結果が出ない場合がありますが。インドらしい、、、。

私は基本的にルーズな性格ので、はじめは時間通りに買い物を終わらせるのに一苦労していました。最近やっと慣れてきて、何にどのくらい時間がかかるのか、移動時間も含め見積もれるようになってきました。

使用人がいると、複数の人間で協力して物事を行うため、まるで会社のようです。事前にスケジュールを立てて行動したり、ホウレンソウや指示をしたり、相手とのコミュニケーションに気を遣ったりする必要があるのです。飲み会の席で上司に不適切?な発言をしてしまった苦い経験を思い出しつつ、雇用(上下)関係と、共に家を運営していく仲間とのちょうど良い距離感を模索する毎日です。



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