今のメイドちゃんを雇う時、基本的にはお掃除だけしたいと言われていました。
でも、家族2人の我が家、アイロンかけもキッチンのお手伝いもしてくれないとやることがなくなってしまうので、家事全般にしてくださいと交渉して契約しました。
彼女がアイロンがけが得意じゃないことはわかっていたんです。
そしてアイロンがけを頼んでいたある日、クルタと呼ばれる上着の袖口についた金色の飾りを高温でジュっとやってしまいました。
あ~あ。
私のところでは、最初の契約の際に、家の物を壊した場合や遅刻した場合は、給料からお金を引くと言い渡してあります。
このクルタはボトムとスカーフとセットになったいわゆるプンジャビスーツと呼ばれるもので購入1年以内、まだまだ着れる代物です。そこで、融けた部分を交換し、テーラー代を給料から引くことにしました。
その後、近所のテーラーに持ちこんで、縁飾りを似たような布で取り換えてもらうように依頼しました。その日は週末だったので、翌週月曜に来るように言われて、当日に来店しました。
ところがそのテーラー、伝えられた出来上がり日に来店しても、まだ仕事に取りかかってさえもいないのです!!!
それが2回ほど続きました。
3回目、私はキレて、
「私が来店するのはこれで3回目です。今すぐやりなさい!!!終わるまで帰りません!!!」
と受付係に伝えました。彼は英語がよくわからないので苦労しているのはわかっていました。でも、おそらくその場を何とか乗り切りたい一心で、とにかく翌日、とか早めのスケジュールを言ってしまうのです。
お店がどれだけの注文を受けていて、店の処理スピードがどの程度で、何かあったときの対応も含めて余裕をもって引き取り期日を決めるという、先進国の受付係なら当然考慮すべき基本的な対応ができていません。
が、しかし、インドでは、期日を言っても、客がその日に来ることはないそうなので、それでも大丈夫なのだそうですが、、、。と通訳してくれた他のお客さんが言っていました。
これまで何軒かのテーラーに頼んでいますが、ここの対応はひどすぎます。
ということで40-50分待って無事にクルタを受け取りました。ところが、問題はここで終わりではなかったんです。
そのとき、同じセットのスカーフの端がほつれていたので、それも一緒に直すよう頼んでいました。仕上がったのを見ると、端の処理がジグザグになっているところを、なんと彼らほつれた部分のみ直線縫いで仕上げてきました。もちろん遠目にはわかりませんが、なんともお粗末な感じです。
「これはダメ!!!やり直して。絶対にジグザグよ。じゃなければ他のところに持っていきます。」
彼らのところにはジグザグミシンが無いそうで。(ならなぜ注文を受けるんだ?)
私が文句を言うと、彼は何を勘違いしたのかハサミを持ってスカーフの端を切り落とそうとしました。おそらく全て同じように縫っていないと文句を言っていると思ったのでしょう。
思わず、ノー!!!!と大声で叫び、店中の人間が私を見ました。
「Don't cut my cloths without permission!!!!」
(許可なしに服を切るな~!!!!)
男をにらみつけると、私の剣幕で彼の瞳が縮むのがわかりました。
でもその後はわかったよ、落ち着いてと言いたげにインド人の言い訳スマイル。何だよ、ちっとも懲りてないじゃない。
その後、彼は「5ミニッツ」と言って、ジグザグミシンを借りに近所の他のお店?だか工場だか?に私のスカーフを持って走って行きました。
戻ってきて言うことには、「店が閉まっている。だから、これは明日。」
これは、コントか?
そして翌日。夕方に店に寄ると、ジグザグミシンの店が閉まっているから月曜とのこと。
私はこれで4回目だと言い、店に本当に今日回収できるのか電話をしろとか言うけど上手く伝わっていないようでした。
店にインド人の客がいて、彼女は私と同じアパートの住人と言い、配達させたらどうでしょうなどとおかしなことを言いだします。テーラーがデリバリーするなんて聞いたことがないし、彼に配達する時間があるとも思えません。一生手元に来なさそう。
この手の仲裁人は要注意だと思います。ことがさらにややこしくなるからです。
彼女が「私の電話番号が知りたいか?」と訊くので、「いいえ」と突っぱねました。
ほらね、問題の核心には関係ない質問でしょう?
自分の問題は自分で、当人同士で決着を付けるべきというのが私のポリシー。
月曜にきちんと受け取れなかったら、ディスカウントしてください。と彼女に通訳させました。
日本で仕事していたときの私の時給はインドの千ルピー以上。自宅に向かう途中とはいえ5回も通わせて私の時間を無駄にした罪は大きい。私はバブル直後入社ですが、やられたらやり返しますよ!もちろん!
そして、次回は絶対に別のテーラーに頼もうと思うのでした!
メイドの給料から先に仕上がったクルタのテーラー代を引きましたが、彼女は不服そうではありませんでした。実は時給制にしていて月により給料が変動します。先月はパーティ用サリーの着つけで追加出勤を依頼するなど合計日数が多く、テーラー代を差し引いても給料が彼女の望む金額より多かったのです。
この時給制という概念をメイドに理解してもらうのは難しく、彼女の友人を通訳に入れて説明したのですが、なかなかわかってもらえていないようでした。その前の月は、彼女の希望金額を下回り、なぜマイナスなんだと質問を受けました。単純に働く日数が少なかっただけなので、そう説明したのですが、、、。
この話を夫にしたところ、トータルで希望金額を上回るように調整したほうがいいよ、とのことでした。そうでないと、やる気がなくなってしまうのだそうです。彼女は時々失敗があるものの、遅刻もなく、仕事もスムーズに行ってくれているため、減額されていると感じてやる気を失わせるのは不本意。合計労働時間が希望時間に達するようなるべく調整をかけることにしました。
彼女の職務態度を見ると、やりかけたことを途中で放棄したくない性格のため、時間になっても手がけている仕事を必ず全うしてから帰宅しています。延長された5分や10分は時給として換算されない数字ですが、お陰でこちらは助かっています。そのことを加味すれば、決まった金額以上を出すことは私には採算が合うと感じられました。
依頼する内容が無くなりそうになったら、今はまっている豆腐づくりを手伝ってもらうと考えています。先日、カリフラワーを切ってもらったとき、とても上手につぶを揃えていて、料理もいけるのではないかと感じました。本人は日本食に興味があるとも言っていましたし。次の職場のことを考えると、キャリアアップに繋がる経験を与えてあげないといけませんしね。
ん~、仕事みたい、、、。
メイドとの関係ではつくづくマネージメント能力が問われていると感じます。
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