2013年9月26日木曜日

メイドから見た日本人とクレクレタコラ

うちのメイドは3軒の家を掛け持ちしていますが、もう1軒も日本人宅です。
そのメイドが先日こんなことを口にしました。

「ジャパニーズ、オール、スローアウェイ」
"Japanese, all throw away"

つまり、日本人は何でも捨てる、とのことでした。
それを聞いて、私はう~んやっぱりそうかぁ、と思ってしまいました。

そういえばメイドがやってきた初めのころ、私はテフロン加工のミルクパン(ミルクを温めるくらいの大きさの片手鍋。)の底の加工が剥げてきたのを見て、新しいものを買い古いのを捨てようとしました。

するとメイドちゃん、「マダム、これはまだ使えます。捨てるなら私にください。」と言うので、鍋とともにゲートを通過するときに必要なあげました証明書を書きました。

この話を夫や家族にしたところ、「物をあげるのは良くない」と言われました。
なんでも、それが癖になり、どうせ捨てるのだから、持っていってもいいだろうという気持ちになるのだそうです。

また、私はパスタソースやジャムの空き瓶は即座に捨てていました。すると、メイドちゃん、こちらも使えると思ったらしく、「ゴミならください。」と言い出しました。
そこで私は、本当はゴミだけど捨てないことにしてまとめて保管することにしました。

私がよく買い物をするオーシャンズというスーパーでは、ビニール袋に野菜を個別に入れるのが一般的です。インドでは、野菜は量り売りです。スーパーでは計量専用の場所に並び計った野菜に値札をつけてもらうのですが、スーパーの場合、個別にビニールに入れ口をしっかり閉じて開かないようにシールを貼ります。

これは計量した後に商品を追加する偽造を防ぐためです。
そして家に帰って野菜を出すとビニールの山になってしまいます。ある日それを見たメイドが「このビニールは捨てるのか?」と訊いてきました。

きたな、このクレクレタコラ~!
と思い、私は、「これは使うよ」と答えました。

それ以降、野菜の小さなビニール袋は生ごみを入れたりして再利用しています。
買い物したときの袋はなるべくリサイクルバッグを利用するようにしているのですが、イベントの後に買い物に行く時は、持って行くのを忘れがちです。

日本人は何でも捨てると言われた翌日、私はメイドちゃんに宣言しました。
「私はあなたから学びました。これからは、No waste です。」

このポリシー変更は、メイドには物がもらえなくなるので残念なことかもしれませんが、私には都合のよいものでした。

ここはインド。ビニールから人体に有害なガスが出ないように高温で焼却する施設などあるはずもありません。だいたい燃やしていないらしい、、、。

だから、ゴミはミニマムになるよう配慮していかないといけないかもしれません。
アパートのゴミ出しはダストシュートに入れるだけの簡単処理ですが、バンガロールでは分類が義務付けられているため、その後、人手で分類しているのだそうです。

思いがけないメイドからの指摘で、少しエコライフに目覚めた私。
日本人は何でも捨てると言われないよう、工夫して生活しようと思うのでした、、、。

先日、キッチンタオルの芯がメイドの財布の近くにひっそり置いてありました。
少し意地悪かなと思いつつもそれはしっかり自分で捨てました。
彼女が床掃除をしている間に、、、。ごめんねぇ、タコラちゃん。
こうしてタコラちゃんと私の攻防は続くのであります。


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9 件のコメント:

  1. こんにちは、いつも楽しみにしています。1カ月ほど前、バンガロールに滞在したのですが、現地で新聞を読んでいると、バンガロールでごみの分別を怠ったら罰金を科す法律が導入されたという記事を見かけました。日本より厳しいな~と思ったのですが、バンガロールでは結構細かく分類するのでしょうか?

    私のインドの知人女性は旦那に買い物に行かせる時も必ずマイバッグを持たせるほど「No plastic」運動に熱心なのですが、日本人はCO2削減のためにレジ袋を削減するのに対し、インドのNo plastic運動はポイ捨てによって排水溝が詰まったり、水たまりができて蚊が発生し、デング熱やマラリアの発生源になるからだとか、野良牛が食べるのを防ぐためだとか聞きました。所変わればですね。

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  2. Michiさん、こんにちは。私のアパートでは何もアナウンスが無いので、これまで通りダストシュートに何でもまとめて捨てています。ただ、アパートの住人組織(日本と違って管理組合の設立が義務化されていないようです)で議題に挙がった内容を聞くと、アパート側では住人が捨てたゴミを一旦どこかに集め分類しているそうです。
    また友人の住んでいる別のアパートでは、分類しており、ビニールに入れて出すとそのビニールを返却されると言っていました!どんな分類なのか訊いてみますね。

    罰金は、何かしら懲罰がないと協力しないからだと思います。分別は、インド人が日本人並の分別ができるとはとても思えないのでそれほど細かくないかと。

    日本の場合、地方自治体が分別に関する書類を作成して徹底させますが、インドの場合は言語が違ったり文字を読めない人も多いしそもそも共通認識のためにドキュメントを作成して徹底させようという意識も低いので、(アパートでさえ、入居の説明書などが無い)分類がどういうものか見たことがないというのが現状ですね。ゴミ収集所もサインなどはなく、あるのかないのかもわからないです。No plasticの理由はMichiさんがおっしゃる通りだと思います。野良牛がゴミを食べているのはよく見かけますよ。

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  3. こんにちは。
    なるほど、お住まいのアパートでは誰かに委託して分類してもらっているのですね。よく考えてみると、自分がいったん出したごみを別の人が開くと思うと、それはそれで少し気味が悪い気もしますが。でもインドにはrag pickerと呼ばれるような、ナイロンなどを拾って歩いているような子供もいるので、換金できるのでしょうね。ちょっと調べたら記事を見つけました。

    http://www.deccanherald.com/content/347372/039segregate-garbage-pay-fine039.html

    dry waste(プラスチック?)とwet waste(生ゴミ?)に分けるようなことが書かれています。この種の法律はインドでは初めてとのことで、バンガロールはまだインドの中では進んでいる方なのかも。日本には高温処理できる焼却施設が各自治体レベルであるので、それが当たり前のように思ってしまいますが、特別なことなのかもしれませんね。日本政府はメトロも結構ですが、こうした面で技術協力できないものかと思ってしまいます。

    返信ありがとうございました。

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  4. Michiさん、リンク&返信ありがとうございます!ゴミに関しては、本当に!本当に!私もそう思います!インドでは、次世代へのゴミに対する教育とともに焼却施設などの技術協力があったら、よりきれいになると思うし、これこそまさに世界の中で日本の得意分野といえる事だと思います。

    日本の小中学校の習慣として教室を生徒が掃除するというのがありますが、それが世界の中ではとても特殊なことをご存知でしょうか?これを中東の小学校で取り入れたら生徒の態度が向上したという話があります。インドの富裕層ではメイドを雇うのが当たり前なため、子供たちは当たり前のようにゴミを床に落とすのだそうです。この教育をインドでやったらいいんじゃないかな~と思いますよ。

    また、ゴミに関して、急激に増えているプラスチック製品への対処が課題になることは必須ですよね。でも、ゴミの量があまりにも多くどこから手をつけてよいか分からないのが現状だと思うんです。焼却施設単体じゃなくて回収システムや住民への周知方法も含めたトータル・ゴミ・ソリューションとして協力できたら良いのではないでしょうか。

    rag picker は中間業者に売って現金を得るんですね。路上の物乞いはマフィアのような組織が背後にあって上がりをピンハネしています。また、インドの社会では受け入れられない女装をした男性(ゲイのような人たち)が路上でドライバーにお金を要求してくることがありますが、これもまた組織だそうです。

    社会的に弱い人たちが危険なこと(ゴミに長く触れることは様々な病気のリスク増になります。でも教育されていない人はそのリスクの大きさもわからない)やダーティな組織に属さざるおえないというのは残念なことですが、多くの国の様々な団体がインドでは活動をしています。どこかで良い出会いを得て、別の活路を見出してほしいですね。

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  5. kussieさん、こんばんは。
    トータル・ゴミ・ソリューションという言葉で思い出しましたが、以前コルカタでJICAがそうした取り組みをやったみたいです。ネットでちらっと見かけただけなので忘れていたのですが、改めて調べ直したら、「コルカタ廃棄物管理改善事業」というのだそうです。ごみの収集、中継、生ごみの堆肥化、最終埋め立て場までを整備したとありますが、焼却場はないんですね。それでもとても意義深い取り組みだなあ、と思います。昨年コルカタに行きましたが、街は相変わらず汚いですけどね。商店や露店の前に青い大きなバケツが置かれてあって、チャイのカップなどのごみは皆そこに入れるんですね、そういう習慣づけが出来ただけでもインドでは画期的だな、と思わずごみ箱の写真を撮った記憶があります。

    バンガロールには現地の教育支援のNGOを訪ねるために行ったのですが、当地のスタッフと学校を周って教師や校長などと話をしましたが、子供たちに学校の掃除をさせるのは難しいんだな、とつくづく思いました。カーストの国ですからね。特に田舎ほどそういうものに敏感です。日本では子供たちが教室や廊下を毎日掃除するんですよ、と伝えると、みんな感心してくれるんですが、自分の学校ではとてもさせられない、と答えます。子供たちの親が抗議するんだそうです。そういえば以前、UP州で家にお金がなくて学費を持ってこれない女子児童に、教師が懲罰的にトイレ掃除を何日か命じたところ、数日後にその子が自殺した、というニュースを見たことがあります。それほどの恥辱と受けとめられるんでしょうね。

    女装した男性はヒジュラというのでしょうか、バンガロールの高速の料金所前などで集団で展開してドライバーたちにお金をせびってましたね。インドの知人の話によると、そのまた知人がそうした人たちの就労支援活動をしていたけど、すぐに路上での物乞いや売春などに戻ってしまい、うまくいかないんだ、というようなことを言ってましたね。

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  6. Michiさん、コルカタ廃棄物管理改善事業の件、教えてくださってありがとうございます!
    アパートのゴミ処理の発起人の方にシェアしてみようと思います。確かに意義深い取り組みですね!ここでの成果がどうなったのか、他の地区のモデルケースに成りうるのか興味があります。このケースではカーストの問題を解消するためにソーシャルモビライザー(啓発活動員)という役割を作って啓蒙活動にあたったというのも興味深いです。

    分類の件、友達から返事がきました。インドの場合は焼却しないので、分類は堆肥化可能な有機ごみ(これがwet or kitchen refuse)とその他に分けられ、その他からリサイクル可能なもの(紙、プラスチック、缶)をさらに分けているようです。

    ヒジュラの件、やはり支援団体があるのですね。インドに居ると、雨露さえしのげれば何とか生活していける気候だし食べ物もたくさんあって堕落しようと思えばいくらでもできる気がします。努力を続けることに何らかの価値を見出さないと難しいことなのかもしれませんね。信念や理想を持って生きることは日本人にとっても難しいことなのですから、当然、彼らにとっても難しいことだと思いますね。

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  7. Michiさん、掃除のお話について、カーストの影響は今でも色濃く残っていて、そういう事件も起こるのですね。驚きました。

    また、教師の対応で自殺という点で、日本でいうパワハラやいじめに近いような気がしました。残念なことですが、インドの学校では、先生が低カーストの子を差別したり、成績の悪い子をあからさまに叱責したり、できた子だけ物をもらえたりするような教育方法が普通に採られています。実は私が手伝っている学校でもそういう傾向があり、外国人の間では時々話題に上ります。

    私はアート・クラフト用にぬり絵を作って持っていくのですが、すべて一色で塗られていることがあります。それもまた個性と思うのですが、正直驚きました。もう少し、個々のイマジネーションを広げるような教育になるといいんですけど。

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  8. kussieさん、情報ありがとうございます。やはりインドの場合は目下のところ、ごみ焼却はせずに埋め立てる方向で進んでいるのですね。その前に有機ごみやプラスチックなど、なるべくリサイクルするということなのでしょうが、どの程度の人手と人件費を掛けているのか分かりませんが、かなり大雑把そうな気がします。やはりバンガロールのように、住民による分別を義務化することで、分別コストを下げ、埋立地の効率化を図っているのかもしれません。

    わたしは教育のことは素人なので迂闊なことは言えないのですが、生徒との接し方、生徒とどのように向き合えばいいか、というのは日本でも大変難しい問題ですよね。インドではその辺のことがもっと未発達で、ノウハウの蓄積が進んでいないようにも見えたりするのですが、一方でお国柄で教育方法も異なるということもあるのかもしれないので、外国人としてはまず理解してみる努力も必要なのかなあ、とも思ったりします。kussieさんが手伝ってらっしゃる学校では、外国人のボランティアの方が他にもいらっしゃるということで、ひょっとしたら一つの指導方法をめぐってみんなそれぞれ意見が異なる、というようなことがあるかもしれませんね。

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  9. 人件費は、英語が話せて料理もできるフルタイムメイドの給料が月2万くらいですから、ゴミ処理なら1万くらいで雇えるのではないでしょうか。住民側で分別したものが上手く活用されるといいのですが、収集車が分別したものを混ぜて運んでいるという話もあり、効率化には課題もあるようです。

    お国柄も確かにあると思います。インドは昔の日本に近くて詰め込み式。欧米人の方が勉強以外の個性も尊重する傾向が高いです。欧米人の方が教師と生徒の関係はフラットでアジア人の方が上下関係を尊重する傾向が強い。指導方法を巡って話あったら意見はきっと分かれると思いますね。そういう機会があったら色々話が聞けて面白いと思います。日本でもゆとり教育を取り入れて、見直されましたが、欧米的な教育方法をどう取り入れていくかというのは歴史のあるアジアの国では課題かもしれませんね。

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