我が家のドライバー、Rは敬虔なクリスチャンです。毎週日曜には教会へ行き、時間の空いたときは聖書などを読んでいる真面目な彼。年齢は30歳くらい。奥さんと子供が一人。もうすぐ二人目の赤ちゃんが生まれる予定です。もちろん、時間は常に守り、遅れる場合は事前に電話を入れてくれます。半年以上過ぎて、遅れたのは2回くらいです。
相手に時間を守ってもらうためには、当然こちらもきっちり行動せねばならず、それはそれで疲れたりもします。約束した時間は(遅れても5分以内)必ず守っています。一日の行動予定は朝のうちにざっくり教えておいて、彼のランチなどの行動計画も立てやすいようにしてあげます。会社の朝のミーティングみたいですね、、、。
そういえば、以前、インド人のお宅に夕食に呼ばれた際、そこの家では我が家の運転手に食事を出してくださいました。そういった心遣いは運転手を雇うのが当たり前になっているインドならではでしょう。
Rは真面目なのはいいんですけど、真面目すぎるのが玉にきずということもあります。運転中の会話で、宗教の話を延々とされることがあるのです。ある日の話はこんな感じ、、、。
その日の朝、彼が外でチャイを飲んでいると、ある女性がやってきて、彼にクリスチャンなのかと尋ね、彼女が悩んでいることを打ち明けたことがあったそうです。彼は、その女性の悩みを聞いてあげて、聖書はヒンズー語で書かれたものがあるから、それを読むように薦めました。その女性はとても喜んで、彼もいいことをしたと思いました。
「マダム、今日はとても良い日です。」長い睫毛に縁取られた丸いキラキラした目で話す彼。
インド人って、隣り合わせた人と気さくに話す文化なんだなぁ、私の子供のころの日本みたいだなぁ、と思いながら聞く私。
「聖書には何一つ悪いことは書いていない。」
と堂々と言う彼に、布教のための本に都合の悪いことなど書くわけないじゃないか!と思いつつも、「善悪の判断をするために役に立つよね、、、。」などとお茶を濁したような返事をしました。
時々ならいいんですけど、私は無神論者なので、あまり頻繁にされると少し辟易してしまいます。
そのためには、こちらも頑張って話題を振らなければ!
ということで、私は口下手なタイプですが、なるべく他の話題もするようにしています。
例えば、英会話クラブで今日はどのようなテーマで話をしたかなど。確か前回は、洋服の話題でした。30代後半で妊娠した女性が、マタニティウェアを買おうとすると20代のようなデザインしかないという体験をし、装いがどのように態度や行動に影響を及ぼすか、ということをテーマにしていました。
後は、家に必要な物がどこで手に入るか、という話をよくします。これは一般的ですよね。
また、目的地へ最短で行くにはどのルートが適切か。GPSを使って、ルートを提案したりすることがあります。一般的に、運転手は入り組んだルートや狭い道は通りたくないのが普通ですが、時間帯によってはそちらを通った方が信号がなくて早いこともあります。
一つの目的地に行くのでも色々ルートを知っていると、渋滞回避も上手にできるようになり、彼にとってもメリットのあることです。
そのほか私たちが普段話すのはこんな内容でしょうか。まぁ一般的な世間話と呼ばれるものですね。
・天候、家族、健康
・文化的な話:民族衣装やしきたり、習慣など、インドと日本の違い、他の国とインドの違いなど、
・語学:英語、カンナダ語などの表現
・インド体験談:リクシャの乗車・値段交渉体験、好きなインド料理、観光の感想
・スポーツ:ヨガ、ジョギング、ランニングイベント、若い時のクラブ活動、好きなスポーツなど
・物価:品物の値段、適正価格、為替相場、ガソリンの値段などについて
・食べ物:食品の名前・調理方法、果物の旬やシーズン、レストランの評判
・旅行・観光:バンガロール/インドの観光名所、海外旅行の土産話、世界の名所など
・時事ネタ:選挙、ニュース、お祭り、イベント、学校教育
今日は、8月15日をどのように祝うかという話が出ました。これは歴史ネタかな?
8月15日はインドでは独立記念日です。日本では終戦記念日で、亡くなった人々のために黙とうすると言いました。第二次世界大戦の勝利国であるアメリカでは盛大なパレードが行われます。
私はニューヨーク在住のとき、初めてそのパレードを見て、とてもショックを受けたものでした。終戦記念日をこんなに明るく楽しく祝っているなんて!
これは彼には言いませんでしたが、自分の国が敗戦国であるということを嫌というほど見せつけられ、とても悔しい思いをしたのを覚えています。
そして、本当は彼にこんなことを説明する必要はないのですが、日本には欧米列強に不平等な扱いを受け、戦うべき理由があったこと。アジアで欧米に戦いを挑んだのは日本だけだったこと。インドを含め他の植民地となっていたアジアの国々は、それに励まされてその後独立したことなどを話しました。(独立記念日が8月15日になっているのは、そのことに対する敬意も含まれているのではないでしょうか?)
ついでに、日本は世界唯一の原爆被爆国であることなども話しました。原爆の中心部は高温で人間も融けて影しか残らないと話したら、興味を持っていました。
いつもこんな真面目な話をしている訳ではなく、彼のおやじギャグを聞くような場面もあります。
実は我が家では、メイドを雇おうとしており、先日一人紹介されたのですが、彼女は英語を話せずこちらが伝えたはずの面接の日時に来ていただけなかったのでした。果たしてちゃんと来てもらえるか心配しているとき、私は野菜を洗うのを手伝ってほしいのよ、という話をしたところ、、、
If you ask her to wash vegetable, she may wash a table.
と言ってハハハと笑っていました。
どうやら、最後の"table"が同じなので勘違いするかもしれない、ということらしいです。
ぶぶぶ~。くだらな~い。
マダムの威厳を保つため?全開では笑えませんが、ウフウフ笑っておきました。
比較的良好に話をしていますが、一度だけ嫌な思いをして注意をしたことがあります。
それは、買い物の間車内に置いた雑誌を彼が勝手に見たときです。戻ってくると、「マダムその雑誌に自分のホームタウンが載っている」と言われました。なんですと???
このときは、帰りがけに、雑誌を見たい時は事前に断ってください、と伝えました。
彼は結構な勢いで謝っており、その後そういったことはなくなりました。私も見られたくないものは置き去りにしないことに決めました。
私はアパートに住んでいますが、同じアパートのドライバーたちは顔見知りでネットワークを持っています。メイド同士もしかりです。また、ドライバー同士もネットワークがあります。彼らは業界でのタブー(例えば所属会社を裏切る行為など)を犯せば仕事を続けられないし、悪い評判はたちまち広まってしまいます。
良いドライバーは、たいてい以前世話した客と連絡を取っており、インド再訪のときに繰り返し仕事を受けたりしています。Rもそのようにして何人かの固定客を持っています。
そういったたくさんの客の中でも私たちとは特に揉めることが少ないとRは驚いていました。彼とは夫との直接契約で夫が契約書を作成しておりグレーになりそうな事項は予めクリアーにしていることが大きいと思います。
加えて、私たちは夜の外出を基本的にしないため、深夜労働は滅多に発生せず、日本人なら当たり前ですが約束した時間に正確であることも大きいでしょう。日本ならともかく海外では家族との時間はより重要視されます。夕食は家族一緒に取る家が多く、小さな子供と妊婦を抱え、家事を手伝うこともある彼にとって早く帰宅できるのは大きいようです。
個人的にはディナーに連れて行ってもらえないのは不満ですが、、、。
私たちが滞在を延期するなら、仕事を続けたいと言ってくれたR。
一日の予定を効率的に消化できるよう、訪問先や買い物できる場所などをしっかりアレンジしてルートを組むとともに、マダムの威厳を保ちつつ、車内で楽しめる話題を提供したいと思う今日この頃です。会話をするのは、良好な関係はもちろんですが、英語の先生に勧められて、英会話の練習としてがメインの目的です。
相手に時間を守ってもらうためには、当然こちらもきっちり行動せねばならず、それはそれで疲れたりもします。約束した時間は(遅れても5分以内)必ず守っています。一日の行動予定は朝のうちにざっくり教えておいて、彼のランチなどの行動計画も立てやすいようにしてあげます。会社の朝のミーティングみたいですね、、、。
そういえば、以前、インド人のお宅に夕食に呼ばれた際、そこの家では我が家の運転手に食事を出してくださいました。そういった心遣いは運転手を雇うのが当たり前になっているインドならではでしょう。
Rは真面目なのはいいんですけど、真面目すぎるのが玉にきずということもあります。運転中の会話で、宗教の話を延々とされることがあるのです。ある日の話はこんな感じ、、、。
その日の朝、彼が外でチャイを飲んでいると、ある女性がやってきて、彼にクリスチャンなのかと尋ね、彼女が悩んでいることを打ち明けたことがあったそうです。彼は、その女性の悩みを聞いてあげて、聖書はヒンズー語で書かれたものがあるから、それを読むように薦めました。その女性はとても喜んで、彼もいいことをしたと思いました。
「マダム、今日はとても良い日です。」長い睫毛に縁取られた丸いキラキラした目で話す彼。
インド人って、隣り合わせた人と気さくに話す文化なんだなぁ、私の子供のころの日本みたいだなぁ、と思いながら聞く私。
「聖書には何一つ悪いことは書いていない。」
と堂々と言う彼に、布教のための本に都合の悪いことなど書くわけないじゃないか!と思いつつも、「善悪の判断をするために役に立つよね、、、。」などとお茶を濁したような返事をしました。
時々ならいいんですけど、私は無神論者なので、あまり頻繁にされると少し辟易してしまいます。
そのためには、こちらも頑張って話題を振らなければ!
ということで、私は口下手なタイプですが、なるべく他の話題もするようにしています。
例えば、英会話クラブで今日はどのようなテーマで話をしたかなど。確か前回は、洋服の話題でした。30代後半で妊娠した女性が、マタニティウェアを買おうとすると20代のようなデザインしかないという体験をし、装いがどのように態度や行動に影響を及ぼすか、ということをテーマにしていました。
後は、家に必要な物がどこで手に入るか、という話をよくします。これは一般的ですよね。
また、目的地へ最短で行くにはどのルートが適切か。GPSを使って、ルートを提案したりすることがあります。一般的に、運転手は入り組んだルートや狭い道は通りたくないのが普通ですが、時間帯によってはそちらを通った方が信号がなくて早いこともあります。
一つの目的地に行くのでも色々ルートを知っていると、渋滞回避も上手にできるようになり、彼にとってもメリットのあることです。
そのほか私たちが普段話すのはこんな内容でしょうか。まぁ一般的な世間話と呼ばれるものですね。
・天候、家族、健康
・文化的な話:民族衣装やしきたり、習慣など、インドと日本の違い、他の国とインドの違いなど、
・語学:英語、カンナダ語などの表現
・インド体験談:リクシャの乗車・値段交渉体験、好きなインド料理、観光の感想
・スポーツ:ヨガ、ジョギング、ランニングイベント、若い時のクラブ活動、好きなスポーツなど
・物価:品物の値段、適正価格、為替相場、ガソリンの値段などについて
・食べ物:食品の名前・調理方法、果物の旬やシーズン、レストランの評判
・旅行・観光:バンガロール/インドの観光名所、海外旅行の土産話、世界の名所など
・時事ネタ:選挙、ニュース、お祭り、イベント、学校教育
今日は、8月15日をどのように祝うかという話が出ました。これは歴史ネタかな?
8月15日はインドでは独立記念日です。日本では終戦記念日で、亡くなった人々のために黙とうすると言いました。第二次世界大戦の勝利国であるアメリカでは盛大なパレードが行われます。
私はニューヨーク在住のとき、初めてそのパレードを見て、とてもショックを受けたものでした。終戦記念日をこんなに明るく楽しく祝っているなんて!
これは彼には言いませんでしたが、自分の国が敗戦国であるということを嫌というほど見せつけられ、とても悔しい思いをしたのを覚えています。
そして、本当は彼にこんなことを説明する必要はないのですが、日本には欧米列強に不平等な扱いを受け、戦うべき理由があったこと。アジアで欧米に戦いを挑んだのは日本だけだったこと。インドを含め他の植民地となっていたアジアの国々は、それに励まされてその後独立したことなどを話しました。(独立記念日が8月15日になっているのは、そのことに対する敬意も含まれているのではないでしょうか?)
ついでに、日本は世界唯一の原爆被爆国であることなども話しました。原爆の中心部は高温で人間も融けて影しか残らないと話したら、興味を持っていました。
いつもこんな真面目な話をしている訳ではなく、彼のおやじギャグを聞くような場面もあります。
実は我が家では、メイドを雇おうとしており、先日一人紹介されたのですが、彼女は英語を話せずこちらが伝えたはずの面接の日時に来ていただけなかったのでした。果たしてちゃんと来てもらえるか心配しているとき、私は野菜を洗うのを手伝ってほしいのよ、という話をしたところ、、、
If you ask her to wash vegetable, she may wash a table.
と言ってハハハと笑っていました。
どうやら、最後の"table"が同じなので勘違いするかもしれない、ということらしいです。
ぶぶぶ~。くだらな~い。
マダムの威厳を保つため?全開では笑えませんが、ウフウフ笑っておきました。
比較的良好に話をしていますが、一度だけ嫌な思いをして注意をしたことがあります。
それは、買い物の間車内に置いた雑誌を彼が勝手に見たときです。戻ってくると、「マダムその雑誌に自分のホームタウンが載っている」と言われました。なんですと???
このときは、帰りがけに、雑誌を見たい時は事前に断ってください、と伝えました。
彼は結構な勢いで謝っており、その後そういったことはなくなりました。私も見られたくないものは置き去りにしないことに決めました。
私はアパートに住んでいますが、同じアパートのドライバーたちは顔見知りでネットワークを持っています。メイド同士もしかりです。また、ドライバー同士もネットワークがあります。彼らは業界でのタブー(例えば所属会社を裏切る行為など)を犯せば仕事を続けられないし、悪い評判はたちまち広まってしまいます。
良いドライバーは、たいてい以前世話した客と連絡を取っており、インド再訪のときに繰り返し仕事を受けたりしています。Rもそのようにして何人かの固定客を持っています。
そういったたくさんの客の中でも私たちとは特に揉めることが少ないとRは驚いていました。彼とは夫との直接契約で夫が契約書を作成しておりグレーになりそうな事項は予めクリアーにしていることが大きいと思います。
加えて、私たちは夜の外出を基本的にしないため、深夜労働は滅多に発生せず、日本人なら当たり前ですが約束した時間に正確であることも大きいでしょう。日本ならともかく海外では家族との時間はより重要視されます。夕食は家族一緒に取る家が多く、小さな子供と妊婦を抱え、家事を手伝うこともある彼にとって早く帰宅できるのは大きいようです。
個人的にはディナーに連れて行ってもらえないのは不満ですが、、、。
私たちが滞在を延期するなら、仕事を続けたいと言ってくれたR。
一日の予定を効率的に消化できるよう、訪問先や買い物できる場所などをしっかりアレンジしてルートを組むとともに、マダムの威厳を保ちつつ、車内で楽しめる話題を提供したいと思う今日この頃です。会話をするのは、良好な関係はもちろんですが、英語の先生に勧められて、英会話の練習としてがメインの目的です。
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